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ビセンテ・アミーゴの新譜「音の瞬間」

私は決してフラメンコのいい聴き手ではない。二十代のころにパコ・デ・ルシアを知り、以来、フラメンコをルーツに持つギター音楽への興味を持ちつづけてきた。
今、パコの流れを受け継ぐフラメンコギターのニューウェイヴといえば、トマティートとビセンテ・アミーゴということになるだろう。

B00092QSDM ビセンテにとって、このアルバム『音の瞬間(とき)』は5年振りの新譜。私は『ポエタ』、『イデアの街』、『魂の窓』を愛聴しているが、本アルバムはこれまでで最も彼のルーツを色濃く反映した音楽が収められている。

過日、このアルバムの発売に合わせて来日公演があった。私はさくらホール(岩手県北上市)に聴きにいった(岩手めんこいテレビ公式WEB連載中「目と耳のライディング」をご参照ください)。
ビセンテを生で聴くのは初めてだった。そして、「CDはビセンテの音楽を半分も伝えきっていない」ことを思いしらされた。
18634027_210 スピード感、音の密度、迸る情熱。ギターが熱ければ熱いほど募る切なさ--これらはライヴでこそ肌で感じとれるものだ。ま、これはビセンテに限らないけれど、音楽はやっぱり生を聴いてみないことにはホントのところはわかりませんね。

CDを聴きながら、あの「熱いステージ」を思いかえす日々が続いている。

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コメント

今日『イデアの街』を購入し、『音の瞬間』との違いを感じて聴き比べました。斉藤さんがお書きになっているように、生のコンサートの感動がCDではあまり伝わって来ないのです。ところが、『イデアの街』は最初から良いな~と聴くことが出来ました。サウンドの録音の違いなのかとうちで一番高価なオーディオで聴き比べたのですが、違いはない。やはり、生の素晴らしさを体験してしまったからコンパクトに収められたものが、少し物足りなく感じたのだろうと思いました。

オーディオ・マニアの方々が「生の音」を再現するためにとてつもない労力とお金をつぎ込む理由がよく分かりました。

投稿: simon | 2005年6月 4日 (土) 23時38分

録音された音楽と言うのは、多くの人の手を経るうちに演奏者の音を希釈してしまう気がします。
特に何の電気的回路も通さないアコースティックギターやピアノの音などは録音されると
醜悪なまでに歪められる物にもしばしば出会います。
所謂オーディオ・マニアが求める「生の音」も極論をいえば「スタディオエンジニアの音」であって
「演奏者の音」ではありません。
本当に「演奏者の音」を楽しむ.には
コンパクトに収められた音ではなく実際に演奏者の傍へ行き聞くしかありません。

残念な事にもここまでテクノロジーが進化しながら
私達はコンパクトな音を聞きながら「演奏者の音」を推測するしかないのです・・・。

投稿: ひで | 2005年6月 6日 (月) 19時05分

simonさん、ひでさん、どうも。
このごろは「生」を聴かず、CDが「音楽」だと思っている人が多いです(というか、ま、ほとんどです)。
ちょっと寂しいことです。

投稿: 斎藤純 | 2005年6月 7日 (火) 08時07分

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