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森越康雄水彩画展

8月1日に第二画集『岩手なつかし 森越康雄水彩画集II』を上梓された森越康雄さんの個展の最終日に間に合った(ギャラリー川徳)。

森越さんの水彩画は、岩手のおだやかな自然を、素直に描いている。技量を誇ることもなく、また、誰かのスタイルの模倣でもない。繊細なタッチで、雄大な自然の透明な空気と静寂を、小さな画用紙(そのほとんどがF4号)に、みごとに封じ込めている。

一般に水彩画は「スケッチ」、「素描」とされ、作品として認められない風潮があるが(専門的には「資料」として扱われたりする)、古来、われわれ日本人は、油を用いない画材に親しんできた。水墨画や日本画の文化がそれだ。森越さんの画法は西洋の近代画法だが、その精神にはやはりそれが流れているように思っていた。

今回、掛け軸のような縦長の作品を見て、ぼくの直感が大きく外れていないことが確認できたようなな気がする。

幸い森越さんにお話をうかがうことができた。作品はどれも現場で描くそうだ。ずいぶん細かい筆遣いなので、アトリエで描いているとばかり思っていたから、驚いた(たいていは持ちかえって、アトリエで仕上げる)。だから、真冬の八幡平などでは「絵の具を解いた水が凍るので、お湯を使っています」と、おっしゃっていた。大変なこだわりが感じられる。

それにしても森越康雄さんは、(ご存じの方も多いと思うが)日教組の中央執行委員長という役職についておられる。よく絵を描く時間があるものだと思うが、「絵は私のアイデンティティですから」と照れくさそうに微笑された。シャープな発言で知られる日教組中央執行委員長とは別の顔である。

いつか実現させたいという夢もうかがった。ぼくも及ばずながらお手伝いできれば、と思った。

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