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映画祭を終えて

第10回みちのく国際ミステリー映画祭が終わった。コンパクトな、しかし、密度の濃い内容だったと思う。

盛岡の街もこの映画祭が始まった10年前とは違った状況を迎えている。郊外に中央から大型店が進出し、大きなダメージを受けているのだ。その意味で、今後、この映画祭は「中心市街地活性化」のひとつの要になっていくだろう。

シネマパレードの際に、ゲストの風間トオルさん、板谷由夏さん、高山由紀子監督らが「生活に密着した小さなお店がたくさんある」、「後でゆっくり歩いてみたい」、「シャッター街化が進んでいるなかで盛岡は立派」、「買い物をしてみたいと思うようなカワイイお店があった」とおっしゃっていた。こちらは何も説明をしなかったが、この映画祭が「映画」だけを目的としたものではないことを、ゲストのみなさんは敏感に感じ取られていた。

今年は教育会館で「花くれないに」を特別上映し、満員になった。教育会館があんなに一杯になったのをぼくは初めて見た。「ミステリー」に縛られず、「映画の街」を意識したセレクトが功を奏した。また、「シネ街ック」展も好評を博している(11月13日まで、大通りリリオで開催中)。こういう広がりを得たのは大きな収穫といっていい。

けれども、この映画祭の大きな柱だった新人監督奨励賞を実施しなかったのは残念でならない(予算不足によるものだと聞いているが)。

盛岡出身の映画評論家・細越麟太郎氏がクロージングセレモニーで「今年をひと区切りとし、来年をまた一回目と思って、新たな気持ちで取り組んでもらいたい」と、熱のこもったスピーチをされた(細越さんには裏でも表でも物心両面にわたって、惜しみない協力をいただいてきた)。この言葉を実行委員会と共にしっかり噛みしめたい。

蛇足だが、「何億円も使えて、いいな」と羨んでいた映画祭を開催してきた自治体が破産した。その派手な映画祭に比べて「目立たない」「負けている」と言われながら、ぼくたちはしぶとく続けてきた。それは、支えてくださる市民、映画ファン、映画関係者、小説家らのおかげだ。改めて感謝すると共に、来年以降もしぶとくやっていくことをここで密かに宣言しておきたい(って、ぼくが宣言しても何の効力もないんだけど)。

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