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水原洋追悼コンサートを終えて

ほぼ満席のマリオス小ホールは、故人と縁のあった演奏家が奏でる密度の濃い音楽で満たされた。プログラムは水原さんの好きだったバッハを中心に、どれも水原さんが工房でよく聴いていた作品で組んだ。

楽屋で水原ギターを弾かせてもらった。まず驚くほど弾きやすい。そして、音が大きい。

表板が薄いのが水原ギターの特徴だ。剛性を高めるために内部の構造に独特の工夫をしているらしい。「自分のギターは150年はもつ」と自負していた(ヴァイオリンやチェロなど300年ももつ楽器と違って、ギターの寿命は長くない)。音色はやさしく、それでいて芯が強い。どこかウェットな響きも特徴のひとつだろう。

スペイン、イタリアの留学経験があり、それぞれの国のギターを持っているギタリストの木村悟さんが「水原さんのギターは岩手の音がするんですよ」とおっしゃった。同感だ。

盛岡在住のギタリスト佐藤俊さん、木村悟さんがその水原ギターで演奏をした。あの場に一番いたかったのは、そして、演奏をしたかったのは故水原洋さんだったろう(彼はギターを弾かないギター製作家をあまり評価していなかった。だから、ギターの練習も怠らなかった)。
われわれもあの場に彼がいないことがやはり残念で悲しかった。

「きっと、どこかの席で聴いてたよ」
舞台の袖で誰かがぽつりと言い、みんな頷いた。音楽による慰めを感じるコンサートでもあった。

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