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『ダーウィンの悪夢』を観る

ダーウィンの悪夢』を観た。

環境問題は南北問題である、というのはエコロジーに首をつっこんだことのある人なら誰でも知っている。知っているはいるものの、実感として結びつかないことが少なくない。
このドキュメンタリーは、それを映像でしっかりと見せつける。観ているのがとてもつらく、気持ちがどんどん沈んでいく。

白身魚の加工品を片道空輸するだけでは採算がとれないだろう、と映画がはじまってすぐに疑問を持った。案の定、空輸のカラクリが後半で明かされ、ますます気持ちが沈んだ。

ちょっと物足りないと思った部分がある。
「搾取している側」の描写がないのだ。あの白身魚(ナイルパーチ)がどのように、誰に食べられているのか、その日常を描いてこそ、このドキュメンターはもっとシビアな意味を持つ(あるいは、観客=ヨーロッパ人は周知の事実という前提に立っているのかもしれないが)。

ところで、これは決して「遠い国のお話」ではない。映画のホームページによると、ナイルパーチは切り身として主にヨーロッパ・日本へ輸出され、数年前までは"白スズキ"という名前で流通していた。現在も、スーパーでは味噌漬けや西京漬けなどとして売られている。また、お弁当、給食、レストランなどの白身魚フライにもよく使われているという。つまり、我々も食べているのだ。

ついでにもうひとつ。我々日本人は大のエビ好きだ。我々が口にしているエビのほとんどが、東南アジアからの輸入品だ。

そのため東南アジア諸国のマングローブ林が、エビの養殖場化によって壊滅の危機を迎えつつある。もちろん、この映画に描かれているような貧困も蔓延している。

その事実を知ったら、回転寿司やコンビニ(天丼などによく使われる)には行けなくなるだろう。

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