『美しきボサノヴァのミューズ』を聴く
最近、ちょっと落ち込みがちだった。
ちまたには「元気出して」という、いわゆる「人生の応援歌」風の曲が多いが、そういう曲はぼくの中には入ってこない。
このアルバムで聴けるナラ・レオンの歌声は孤独だ。ナラは自らの孤独をボサノヴァのスタンダード曲で表現し、聴くものの孤独に救いの手をさしのべる。快活に「元気を出して」と声をかけてくるのではなく、ただひっそりと寄り添う。孤独を共有する、あるいは分け合うと言っていいだろうか。
当然、ナラ・レオンを聴いて「よっしゃ、イッチョやったるで」と意気盛んになるわけではない。かすかに涙した後、無闇に溜息をつくのをやめている。ほんの少し顔を上げる。それだけだ。でも、ぼくにとっては大きな前進だった。
このアルバムは以前も紹介している。
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