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『ゴッホは欺く』を読む

絵画が絡むミステリーは、どうしても蘊蓄が多くなりがちだが、さすがにアーチャーはツボを心得ている。蘊蓄は最小限かつ効果的に、そしてサスペンスに重きを置いて物語をスピーディに進める。

決して目新しさはない。先が見える展開なのに、グイグイ読ませるのはアーチャーならでは、である。

しかし、我々はすでに『大統領に知らせますか』のジェフリー・アーチャーを知っている。これがほかの誰かの作品だったら、手放しに褒めることもできたのだが。

この作品の長所は(アーチャーの作品はどれもそうだが)脇役に魅力的な人物が配されていることだ。だが、それが欠点にもつながっている。脇役が魅力的すぎるため、主人公の影がちょっと薄い。アーチャーは主人公の人物造形にもう少し筆を費やすべきだったと思う。

とはいえ、一級のエンタテインメントであり、読んで後悔することはない。

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