« ジャズ・ライヴのお知らせ | トップページ | 高田元太郎、バッハを弾く »

『国のない男』を読む

カート・ヴォネガットのエッセイ集で、これが遺作となった。印象に残った文章から、ごく一部を引いておく(本当にこれはごく一部にすぎない。全部のページが強く印象に残っているのだから)。

ヴォネガットはテクロノジーを「進歩」とはみなさない

--「進化」なんてくそくらえ、というのがわたしの意見だ。人間というのは、何かの間違いなのだ。われわれは、この銀河系で唯一の生命あふれるすばらしい惑星をぼろぼろにしてしまった。それも、この百年ほどのお祭り騒ぎにも似た交通手段の発達によって。

--新製品といえば、コンピュータもそうだ。こいつのおかげで、人間は成長できなくなってしまった。ビル・ゲイツはこう言っている。「あなたのコ ンピュータの成長を温かく見守ってやってほしい」しかし、成長しなくてならないのは人間なのだ。ばかなコンピュータなんか放っておけばいい。

--あの破滅的におろかしいヴェトナム戦争のあいだ、音楽はどんどん進化して、すばらしいものになっていった。一方、われわれは戦争に負けた。 (中略)あの戦争は百万長者を億万長者にしただけだった。そして、今日の戦争は億万長者を兆万長者にしている。、いま、わたしはこれを進歩と呼んでいる。

音楽に関連して。

--アフリカ系アメリカ人がまだ奴隷のころに全世界に与えてくれた贈り物はとても貴重だ。この音楽こそ、いまでも多くの外国人がわれわれのことをほんの少しは好きでいてくれる唯一の理由だといってもいい。

ヴォネガットは強烈な反ブッシュだ。そして、アメリカを憂えている。

--本当に教育があって、自分で考える人は、ワシントンDCでは歓迎されない。

--まだ気づいていないかもしれないから言っておこう。われわれはいま世界中の人から、かつてのナチスと同じくらい恐れられ、憎まれている。

ヴォネガットにならって、ぼくからもひとこと。
その国にへつらい、服従を誓った人が日本の首相になっている。


|

« ジャズ・ライヴのお知らせ | トップページ | 高田元太郎、バッハを弾く »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/98499/16264106

この記事へのトラックバック一覧です: 『国のない男』を読む:

« ジャズ・ライヴのお知らせ | トップページ | 高田元太郎、バッハを弾く »