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一夜明けて

シャコンヌ(バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ二番から)のさまざまな編曲版を4曲も聴く(オリジナルも含めると5曲)というマニアックなコンサートにもかかわらず、たくさんの方にお越しいただいた。企画にかかわったひとりとして、お礼申し上げます。

バッハがそうさせるのか、気迫のみなぎる演奏ばかりだった。ぼくはまばたきをするのを忘れて目が乾き、体が火照って喉も渇いた(打ち上げのビールがことのほかおいしかった)。

順不同に感想をメモしておく。

木村悟さんは右手を手術後のリハビリ中で、この大曲を弾くには充分な体調とはいえなかったが、極めて高い集中力で、力強い演奏をした。山口あういさんのシャコンヌは何度か聴いているが、今回のバロックボウによる演奏は今までにない勢い(スピード感)があった。

弦楽合奏団バディヌリによる弦楽合奏版は、この曲のピアノ版を編曲したブゾーニ以上に濃密なロマン派で、これもバッハのひとつの解釈だと思う。たっぷりと泣かせてもらった。

滝沢善子さんは、ブゾーニ版を演奏中に足の裏が痙攣したにもかかわらず、中断することなく弾ききった。舞台袖にひっこんでくるや否や倒れ、しばらく立つことができなかった。ピアニストというのは恐ろしい人種だと、はたで見ていて感動すると共に畏怖の念を抱いた。

左手だけで演奏するブラームス版は、ブラームスのバッハに対する深い尊敬と愛情が感じられる。情感に流れず、抑制のきいた演奏でありながら、滝沢さんはロマン派のピアノ音楽の精髄をこの曲から引き出した。

客席には東京ゾリステンのコンサートマスター長谷部雅子さんもいらしていて、「滝沢さんが素晴らしかった」とおっしゃっていった。

自画自賛めくが、こんな素晴らしいコンサートを仲間たちでひらけるのだから、盛岡というところは大したものだ。

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