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山林のハイウェー

朝日新聞岩手版に連載されている特集「山林のハイウェー」は久々に読み応えのある記事だ。

かつて、ぼくは『林道 -東北の山々で何が起きてるのか-』(河北新報社編集局 編/無明舎出版)を手に、仲間たちとオフロードバイクでいくつかの現場を見てまわったことがある。無駄としか思えない道路、通行止めの道路ばかりだった。

林道をつくる側は「経済的効果がある」とか「急病人を一刻も早く病院に送りとどけるため」などと理由を連ねるが、大規模林道によって経済成長を遂げた地域が実際にあるのかどうか、寡聞にして知らない。
また、土砂崩れや積雪のため一年のうち半分以上は閉鎖になる道路では救急患者云々などまったく説得力を欠く。まやかしである。

以前、日本ペンクラブ環境委員会で小学校高学年の教科書を研究したとき、山村の発展のために「林道は整備されなければならない」という表記と、「道路の整備は人口流出を促進し、過疎を招く」という内容の表記の両方が掲載されていた。いったい、どう受け取ればいいのか。

ぼくはオートバイ乗りだから、新しい道路ができると喜んで出かけていく。そして、地元の人さえ通らない道路で、存分にオートバイ・ライディングを楽しむ。
東京や名古屋などから来たオートバイ乗りを案内すると、「まるで我々オートバイ乗りのためにつくってくれたような道ですね。岩手はお金があるんだなあ」と苦笑する。実に耳が痛い。

この記事を読むと、役所の見解はいかにも型通りだ。やはり、マスコミに対する公の発言はこうならざるをえないのだろう。
けれども、実際に現場の役人の声を聞くと、彼らは必ずしも同意しているわけでもないし、積極的に進めようとしているわけでもない。本音では「こんな事業はやめたほうがいいのに」と思っているし、ぼくにはそう言う(岩手競馬についてもまったく同じことが言える)。

記事でも触れられている大規模林業圏開発林道川井住田線開設事業促進協議会に名をつらねている首長は、実際にあの道を走ったことがあるのだろうか。開通式にだけ顔を出しているようでは、本当のところは何もわかるまい。

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