ロマと音楽
ロマ(ジプシー)と音楽について。
「流浪の民」と呼ばれるロマは、「音楽の民」でもある。ロマは、散っていった先々で、その土地の音楽を巧みに取り入れて、新しい音楽をつくった。それは、いずこの土地でも迫害を受けた彼らが、自分たちの文化を残すためのひとつの方策だった。
そうして生まれたのが、フラメンコ(スペイン)であり、マヌーシュ・スウィング(フランス)であり、ハンガリーの舞曲(ツィンバロムという独特の楽器を使う)だった。
マヌーシュ・スウィングのレパートリーには、ジルベール・ベコーの「Et Maintenant(エ・マントナン、邦題「そして今は」)やシャルル・トレネの「La mer(ラ・メール、邦題は「海」)などのシャンソンがあり、あたかも元々ジプシー音楽だったかのような雰囲気で演奏している。
最近の録音ではボサノヴァもレパートリーに取り入れているが、これはマヌーシュ・スウィング・ファンのあいだでも賛否両論あるようだ。
マヌーシュ・スウィングとボサノヴは、原点の違いこそはっきりしているものの、成立過程にアメリカから輸入した文化であるジャズが大きく関係している点で共通している。ジャズの影響を受けた、と言いたいのではない。逆である。ボサノヴもマヌーシュ・スウィングもジャズから受けた影響よりも、ジャズに与えた影響のほうが遥かに大きい。
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
この記事へのコメントは終了しました。


コメント