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陸前高田の八木澤商店

八木澤商店(陸前高田)の河野和義さんのことを朝日新聞(岩手版)に連載中の「地の人、風の人」に書いた。お会いしてきたのは先月半ばである。

河野さんは200年つづく家業のほかに、自根キュウリづくり、新種のトマト「愛子」づくり、無農薬大豆づくりなど自然農法による農業、広田湾での海草づくり、陸前高田グリーンツーリズム、全国太鼓フェスティバルなど広範囲かつ多岐に渡る活動を行なっている。

「純ちゃん(河野さんはぼくを「純ちゃん」と呼んでくれる兄貴分の一人)は俺のことを道楽でいろいろやっていると思ってるんだろ」
いきなり核心をついてくる。まあ、全部が全部そうではないにしても、半分は道楽だろう。そう思っていた。
ところが、お話をうかがっているうちにこちらの背筋が伸びていった。ものすごく簡潔にまとめてしまうと、「すべて本物を目指していく過程で手がけざるをえなかったことで、みんな八木澤商店につながっている」ということになる。

「本物を目指してやればやるほど、本物ってのは、遠ざかっていくんだよ。だから、限りがないんだ」

そして、もうひとつのキーワードは地元学だ。

「水俣の吉本哲郎さんに地元学を教わりに行ったとき、いろいろ話していたら、『河野さんがやってきたことが地元学ですよ。我々より先に河野さんはやっていたんですよ』って言われたよ」

そんなお話にただただ頷いているうちに、アッという間に3時間が過ぎていた。河野さんとは酒の席で馬鹿話しかしたことがなく、真面目な話をしたのはこれが初めてだった。もっと早く訪問するべきだった。

盛岡のとあるライヴバーに、俳優の林隆三さんをともなって河野さんがあらわれたことがあった。お二人は立教大学の同期で、大の仲良しなのである。
陸前高田出身の俳優村上弘明さんも河野さんを「兄貴」と慕っている。

「岩手大学で講義というか、話をしたときに『俺のは講義ってより、浪花節だから』と切り出したんだが、『浪花節って何ですか』ときた。やりにくい世の中になってきたよ」

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コメント

6年ぐらい前、水俣市で2泊3日で農村活性化のためのセミナー(字面より、もっと柔らかい感じのものなんですが)の事務局をおおせつかったことがありました。その時、吉本さんともお会いし、地元学についてもお伺いしました。

難しい話ではなく、とにかく地元を見つめることからスタートしたらいいんじゃないか、というような内容だったように思うのですが、人間としての迫力のある方だったような覚えがあります。当時、水俣市の環境部長さんだったのですが、悪い意味での公務員的な考え方をぜんぜんされていない方で、それにも驚いた覚えがあります。

投稿: dunkel | 2008年8月28日 (木) 21時19分

dunkelさん、どうも。
水俣はいわゆる「町おこし」の地元学とは一線を画していたことと思います。やはり、「迫力」がにじみでてくるでしょう。

投稿: 斎藤純 | 2008年8月29日 (金) 07時52分

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