ベートーヴェンの交響曲第九番
冒頭部、混沌の中から何かが輪郭を明確にしはじめる。その部分がもっともよく表現されているのが、このアルバムだ。
付け加えておくと、その「何か」について延々と解きあかしていく哲学書のような音楽が、ベートーヴェンの交響曲第9番だ。
今年末に、私が所属する田園フィルハーモニーオーケストラが第9に挑戦する。これまで第5(いわゆる『運命』)と第6(『田園』)のそれぞれ第1楽章は演奏経験があ るが、ベートーヴェンの交響曲の全楽章を通して演奏するのは初めてだ。
ベートーヴェンの練習はいつも楽しい。実際に演奏することで、この交響曲の構造がよくわかる。楽譜という
よりも設計図のようだ。しかも、ヴィオラセクションに関していうなら、(全然ちゃんと弾けてはいないのだけれど)指が行きたいところに行くように書かれている。
たとえば、モーツァルトだとこうはいかない。モーツァルトは予測不可能な突拍子もないことをやる。ベートーヴェンは理路整然と
している上に豊かな旋律がある。
ちゃんと弾けたらもっと楽しいに違いない。
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