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さようなら、井上ひさしさん

井上ひさしさんが亡くなられた。立松和平さんにお別れを告げたばかりなのに……。

盛岡で開かれた平和の日の集いを思いだす。打ち合わせや打ち上げなどでしばしばご一緒させたいただいた。

当日、宮沢りえさんとの対談で、井上ひさしさんは園井恵子の話をした。涙を流した宮沢りえさんのことを「女優の涙は強いよ」と終演後に評した。 「わざと泣かせたのですね」と尋ねると、ニヤリとあの前歯を出して微笑なさった。

井上ひさしさんが日本ペンクラブの会長だったころ、私は一期だけ理事をつとめたことがある。ペンクラブの理事になりたくて選挙活動をしている作家がたくさんいるというのに、なぜ私なのか。荷が重いし、分相応なのでお断りすると、すぐさま阿刀田高さんと井上ひさしさんから直々に電話をいただき、引き受けざるを得なかった。

高校のころに読んだ『青葉繁れる』が井上ひさしさんとの出会いだった。その井上ひさしさんのもとで理事をつとめることが、なかなか信じられなかった。

「理事会も若返りをはかり、斎藤純に入ってもらった」とパーティで紹介していただいた。その後に私が「いつのまにか私もペンの理事をやるような年齢になってしまっていた」と挨拶をしたら、井上ひさしさんは前歯を剥き出しにして大笑いされた。

毎月重要な会議あり、やはり私には荷が重かった。それで任期満了をもって辞めさせていただいた。私を推薦してくださった井上ひさしさんには心から申し訳なかったと思っている。 ちなみに、あのとき浅田次郎さんも一緒に理事に選出され、現在は専務理事になられている。あの献身的な姿勢には頭が下がる。

井上ひさしさんはたくさん働いた。働きすぎというくらい働いた(立松和平さんもそうだった)。ゆっくり休んでいただきたい。

さようなら、井上ひさしさん。

 

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