« これは見逃せない! | トップページ | ブルーズ・ブッチャーズのライヴ »

いわてに残る友情の人形展開幕

1927(昭和2)年、日米友好と世界平和を願ってアメリカの「世界児童親善会」から日本の子どもたちに、およそ13,000体の「友情人形」が贈られ た。しばしば「青い目の人形」と呼ばれるが、さまざまな目・髪の色の人形があり、男の子の人形もあったという。

友情人形は全国各地の小学校に贈られ、大歓迎を受けた。子どもたちに愛され、大切にされてきたが、太平洋戦争がはじまると「敵国アメリカのプロパガンダ」として処分が命じられる。
そのとき、この理不尽な命令に背いた人々が各地にいた。現在、全国で328体の人形が残っていることが確認されている。 当時の状況を考えると、それは命懸けの勇気ある行為だったと思う。

岩手県内の学校にはおよそ200体が寄贈された。そのうち残っているのは沼宮内小学校の「メリー」ちゃんなど18体。内2体は、長く行方がわかっていなかった。
今年、80数年ぶりにメリーちゃんの妹「ジャッキー」ちゃんが沼宮内小学校に贈られた。

(岩手日報2月20日の記事)
 岩手町沼宮内の沼宮内小(坂本行雄校長、児童371人)に1927(昭和2)年贈られた日米親善人形「メリーちゃん」に“妹”ができる。メリー ちゃんを贈った故シドニー・ギューリックさんの孫から、顕彰交流会が盛んに開かれてきた同校に新たな人形が届くことになった。同校では24日、83年前を 知る地区民らにも参加を呼び掛けて新しい人形の歓迎会を開き、世代間交流を繰り広げながら平和や友情について考える。

 メリーちゃんは、宣教師だったギューリックさんが、関係が悪化していた日米間の友好を願い、全米に呼び掛けて人形を集め、日本の子どもたちに約 1万2700体を贈ったうちの1体。

 戦時をくぐり抜けて保管、伝承してきた同校では、人形を研究してきた同町沼宮内の吉田幸助さん(76)が児童への解説を15年以上続けている。 7年前から沼宮内公民館の事業として顕彰を兼ねた世代間交流会が定着している。2007年の交流会はメリーちゃん来日80周年を記念し、昨年はギューリッ クさんの孫の大学教授シドニー・ギューリック三世(73)夫妻から手紙が届いた。

 新しい人形寄贈を橋渡しした宮城県大郷町の「みやぎ青い目の人形を調査する会」などによると、祖父の遺志を継ぐギューリック三世さんから日本の 小学校などには200体以上が贈られているが、本県は沼宮内小が初めてとなる。

これを記念して、石神の丘美術館では「いわての友情の人形」展を今日から開催している。

20100325121824_00001

岩手県内に残る18体のうち、17体が一堂に会している。行方がわからなくなっていた2体が公開されるのは初めてのことだろう。学芸員による展示作業を見守りながら、何かこみあげてくるのを抑えることができなかった。
80数年ぶりに再会した人形たちは、われわれスタッ フが帰った後に同窓会を開いたようで、今朝行ってみると昨日とは位置が変わっていて驚いたウインク

31fa258abf7ad33edb530b147aae6bd1

 

私は、昨年、石神の丘美術館に就任したときに、この人形展をいつか開催したいとスタッフらに伝えている。さまざまな要因が重なってトントン拍子にコトが進み、こんなに早く実現することができた。どうやら私は運に恵まれているらしい。 もちろん、学芸員と関係者の努力のたまものではあることは改めて言うまでもないが。
当初は10体も集まれば……と考えていたが、門外不出の1体を除く17体全部を展示できた。「行ってらっしゃい」と送り出してくださった各学校の みなさんに心から感謝したい。

世界はこの人形たちが来たときとくらべて、果たして平和になっているだろうか。この機会に、もの言わぬ人形たちの声なき声に耳を傾けていただければ嬉しい。

|

« これは見逃せない! | トップページ | ブルーズ・ブッチャーズのライヴ »

地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/98499/47987171

この記事へのトラックバック一覧です: いわてに残る友情の人形展開幕:

« これは見逃せない! | トップページ | ブルーズ・ブッチャーズのライヴ »