連夜のジャズ
■一昨日はキャラホールで大野雄二ルパンティック・ファイヴを聴く。
名曲の数々(『人間の証明』やNHKの「小さな旅」のテーマなど)で知られる大野雄二(p)、今年は渡辺香津美トリオ以来二度目のテクニシャン井
上陽介(b)、人相は怖いが実はシャイな江藤良人(dr)、松島啓之(tp)、イケ面の鈴木央紹(sax)、絶妙のMCで盛り上げた和泉聡志(g)という
メンバー。
全員、ルパンIIIを思わせるスリムフィットのコンポラスーツに細いネクタイ姿。このごろは珍しいが、かつてはあたりまえの光景だった。
キャラホールはなんとソールドアウト(珍しい!)。客層がいつものジャズコンサートとは違った。おそらくジャズのコンサートは初めてという人が大半だったろう。年齢層がグッと低く、したがってノリがいい。
このコンサートで何よりも特徴的なのは、「スタンダードナンバーをひとつもやらない」ということ。なにしろ、大野雄二のオリジナルしかやらない
のだ。これはジャズのコンサートとしては極めて珍しいわけだが、しかし、やっていることは紛れもないモダン・ジャズだ(ギターはちょっこしロック系だった
が)。ジャズの垣根を取り払った、いいコンサートだったと思う。
終了後、聴衆は会場内が明るくなってもまだアンコールの拍手を送りつづけていた。
トランペットの松島啓之さんには十数年前に、先輩作家の豊田有恒さんから紹介されたことがあり、何度かライヴに足を運んだ。
当時はベースボール・キャップがトレードマークの、線の細い青年だった。昨日はずいぶん骨太な感じになっていた。プレイは相変わらずフレディ・ハバートのスタイル。体型は似ていないが、背中をそらせて吹く格好まで似ている。
■私の定休日は木曜日なのだが、今週は昨日、休んだ。山下洋輔スペシャル・ビッグバンド2010(於オーチャードホール)のコンサートがあったからだ。
豪華メンバーによるスペシャル・ビッグバンドは、当然ながらスィングジャズ系のビッグバンドとは大いに異なり、スリリングな演奏を聴かせてくれた。驚いたのは、編曲が山下洋輔ではなく、
ときおり指揮もとった松本治(トロンボーン)が担当していること。つまり、山下洋輔はピアニスト兼楽曲提供者としてこのバンドに参加しているわけだ。松本治の編曲はちょっこしミッシェル・ルグランっぽかった。
2年前の初演時には、「ボレロ」が評判になったが、昨日は「ラプソディ・イン・ブルー」が凄かった。
昨日の東京は33度の猛暑。今日はときおり豪雨で、寒いくらいだった。
【山下洋輔スペシャル・ビッグバンド(16名編成)】
* 山下洋輔 Yosuke Yamashita (Piano)
金子 健 Ken Kaneko (Bass)
高橋信之介 Shinnosuke Takahashi (Drums)
* [Trumpet Section]
* エリック 宮城 Eric Miyashiro (tp)、佐々木 史郎 Shiro Sasaki (tp)
木幡 光邦 Mitsukuni Kohata (tp)、高瀬 龍一 Ryuichi Takase (tp)
* [Trombone Section]
* 松本 治 Osamu Matsumoto (tb)、中川 英二郎 Eijiro Nakagawa (tb)
片岡 雄三 Yuzo Kataoka (tb)、山城 純子 Junko Yamashiro (B.tb)
* [Saxophone Section]
* 池田 篤 Atsushi Ikeda (As)、米田 裕也 Yuya Yoneda (As)、
川島 哲郎 Tetsuro Kawashima (Ts)、竹野 昌邦 Masakuni Takeno (Ts)、
小池 修 Osamu Koike (Bs)
【曲目】
* ファースト・ブリッジ(山下洋輔)/グルービン・パレード(山下洋輔)
ラプソディ・イン・ブルー(G.ガーシュイン)/ボレロ(M.ラヴェル)
スイングしなけりゃ意味がない(D.エリントン) 他
| 固定リンク
「ジャズ」カテゴリの記事
- 日々の糧(ジャズ編)(2014.04.23)
- マッキー(ジャズトランペット)を聴く(2014.04.15)
- 今年の初ボケール!(2014.01.10)
- 大人買い(2013.11.24)
- ブルーノートを聴く(2013.10.05)
この記事へのコメントは終了しました。


コメント