川村徳助氏「お別れの会」
今の中三デパートのところにカワトク(川徳)デパートがあった、と言っても「知らない」という人のほうが多くなった。
カワトクデパートは 盛岡の、というより岩手の商業界をリードしてきた。8月に93歳で亡くなられた川村徳助氏(2代目徳助、本名は林三)は、その最も華やかな時代を築いた方 だ。かつては「盛岡に進出してもカワトクがあるから(勝てない)」と中央の大手資本からも恐れられた。それだけ地元の信頼が厚く、根付いていた。
川村徳助氏は、ペンネームを持つ詩人でもあったから、芸術分野の人脈もひろかった。90代で現役のチェリスト青木十良氏のコンサート(2006年10月25日)のときに、私は徳助氏をお見かけしている。お元気な姿を見たのは、それが最後だった。
昔はクラシックコンサートや美術展といえば、川徳デパートが大口のスポンサーだったという(主催していた)。利益を文化事業で社会に還元していたわけだ。
詩人立原道造の『盛岡ノート』にも幼少のころの徳助氏が登場する。画家松本竣介との付き合いもあったと記憶している。
カワトクギャラリーで、徳助氏(というかカワトク)のコレクションの一部を見ることができる。舟越桂の作品は、県立美術館が喉から手が出るほどほしがっている作品だ。
今 日、ホテル・メトロポリタンで行なわれた「お別れ会」は、献花をするだけの実にシンプルな会だった。読経も弔辞もない。音楽が流れる会場で軽食をつまみ、 スクリーンに映しだされる故人の映像を眺めつつ、思い出を語り合うだけ。あちこちから「こういうのもいいね」という声が聞かれた。
私が編集長をつとめている『街もりおか』の創刊に尽力してくださったことはあまり知られていない。
心よりご冥福をお祈りします。
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