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『銀輪に花束を』はキザな麦茶だ

輪界のご意見番、疋田智さんがご自身のメールマガジンで『銀輪に花束を』の書評を書いてくださいました(感謝)。了解を得ましたので、転載させていただきます。

【ヒキタ解釈のオススメ本(たまに非オススメあり)】
※自転車本シリーズその8 「銀輪に花束を」斎藤純著 小学館文庫  


いくつもの風景と時間を、短いセンテンスで短いストーリーにして切り取った、連作短編集。それぞれに共通しているテーマは、ひとえに自転車、そして孤独だ。  

ものによっては、ストーリーというストーリーが存在しなかったりする。でも、それが読んでいて快感。斎藤氏のいくぶんキザで、いくぶんペダンチックな筆致が好みに合うなら、さらに快感だろう。  

ヒキタ的に、本書の一番いい読み方(と思われる)を紹介するなら、次の通りだ。  
1日ツーリングに持っていく。ソロがよろしい。で、1時間に1度程度、休憩をとる。コンビニ前でも、山道のバス停留所でもかまわん。その休憩のたびに2、3編、読むのだ。合計19編あるから、7、8回の短い休みですべてが読める勘定となる。  
して、サドルに跨っている間、さっき読んだ2、3編をもぐもぐと噛みしめる。サドルに跨っている間、たいてい大脳はヒマだ。そのヒマな大脳に、さっきの登場人物が話しかけてくる。  

私の好みは「Y氏(と、そのシリーズ)」「婿募集」「雨宿り」「銀輪に花束を」あたりだ。このラインナップは人によってぜんぜん変わってくると思う。上記の4編にしても「オススメ」じゃない。あくまで「好み」なのだ。  

同じ著者の「銀輪の覇者」が、こてこての肉汁したたる分厚いステーキだとしたら、こちら「銀輪に花束を」は、きりっと冷えた麦茶だろう。しかし、その麦茶こそが、この世で一番美味しく、滋養となって身にしみるときがある。

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コメント

トヨダです。

購入当時は疋田氏が言われるようなサイクリングの友的な楽しみ方がメインでした。おいそれと出国出来ない我が財布を見るに、(盛岡から見て)南方の方々が羨ましいです。この年末年始は別にして。
春までは散歩や喫茶店、就活の友です。
私にとって、この本は酒でも麦茶でもなく一杯の紅茶です。

投稿: 豊田和彦 | 2011年1月 8日 (土) 19時14分

トヨダさん>どうもありがとうございます。

投稿: 斎藤純 | 2011年1月10日 (月) 21時15分

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