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震災避難所に遊び場を、子ども 心の傷いやす

被災した地域の子どもの心のケアについて、大切なことなので読売新聞から転載させていただくことをお許しねがいたい。

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東日本巨大地震で避難生活を送る多くの子どもがいる。大人より不安を抱えやすい子どものために早急なケアが必要だと専門家はいう。子どもたちのため、周りに気兼ねしないでいい遊び場を避難所の中につくる動きが広がっている。(榊原智子、板東玲子、上田詔子)

2県10か所

 「遊び場ができると聞いた子どもたちが、せきを切ったようにやってきて、夢中になって遊び始めました」

 津波被害を受けた仙台市若林区。避難所となった小学校の一室で、16日から25日まで、子どもたちが遊べるスペース「こどもひろば」が設置された。運営する国際援助団体「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」の西口祐子さんは、子どもたちの様子をこう話す。

 「こどもひろば」は4~12歳の子どもが対象。お絵かきセット、粘土、柔らかいボールなどを用意して、1回2時間ほど遊べる時間をつくってい る。同団体はこれまでに同様のスペースを岩手県や宮城県の計10の避難所に開設した。各地で10~20人の子どもが参加し、訓練を受けたスタッフやボラン ティアが子どもたちの話に耳を傾け、遊びをサポートしている。

早期開設

 避難所の子どもたちは、大勢の大人と寝泊まりし、不自由な生活に耐える日々を送るだけに、「やっと学校のお友だちに会えた」(8歳の女の子)などとホッとした表情を見せるという。

 「『津波で家が流されたんだ』と話しながら絵で表現する子や、疲れた表情の子もいる。子どももストレスのなかにいるとわかる。大人が家の片付けや手続きで忙しいなか、安心して子どもを預けられる場ができたことも歓迎されている」と西口さんは言う。

 同団体は、世界各地で子どもの支援活動を行っており、今回は英米豪などから専門スタッフが駆けつけ、「ひろば」の早期開設にこぎ着けた。

                         ◎

 国連児童基金(ユニセフ)・ソマリア事務所の医師、国井修さんは、被災地支援のために帰国し、20日から宮城、岩手両県で母子の支援に入っている。

 「家族や家を失い、心に傷を負った子どもがたくさんいるが、混乱を極める避難所にはホッとできるプレイルームもおもちゃもない」と国井さん。民間企業とも連携し、下着や紙オムツなど生活物資のほか、子どもの遊び道具やぬいぐるみの配布を始めた。

 避難生活では、子どもは必要な保護を得られないだけでなく、暴力や虐待を受けやすくなり、新たな心の傷を受ける。子どもたちが安定を取り戻す支援に早く着手する必要があると国井さんは言う。

 具体的には、〈1〉子どもが集える空間を昼間だけでも確保し、ウレタンマットなどを敷いて遊べるようにする〈2〉手の空いた大人が昔話や本の読み聞かせをする〈3〉子ども同士で体験を話し合う機会を作ってあげる――などを提案する。

表情・行動に変化のサイン 親子で過ごす時間重要

 子どもの心の傷は見えにくいが、早急なケアが必要だ。

 神戸市こども家庭センターは阪神大震災の直後、子どもの精神的ケアについてのアドバイスを「阪神大震災を体験した子どもの精神的ケアーについて」と題した一枚の紙にまとめ、被災地の保護者らに配布した。

 「子どもの表情や行動、睡眠、食欲に、いつもと違う様子がないかを注意して見てほしい」と、同センターの児童心理司の伊藤晴雄さんは話す。

 例えば、乳児なら、不安な気持ちを夜泣きや寝付きの悪さなどで表現する。幼児以上だと赤ちゃん返り、表情が乏しいといった変化が出る。元気そうでも、大変な事態を察知して自分の要求や感情を押し殺している可能性もある。

 気がかりな様子があれば、〈1〉「大丈夫だよ」と声をかけ、抱きしめる〈2〉子どもが悲しみや恐怖を話す時は十分に聞く〈3〉子どもを1人にさ せず、他の子と遊ばせる〈4〉手伝いができる年齢なら、手伝いをさせて自分が役立っているという実感を持たせる――などの方法が有効だ。

 「子どもが寡黙になっていたら、無理に話を聞き出そうとするより親子が一緒に過ごす時間を作ってほしい。避難所で楽しげな様子を見せるのは気が引けるかもしれないが、お絵かきや手遊びなど、子どもの日常性を取り戻すことが、心の傷の回復には大事だ」と、伊藤さんは話す。

 阪神大震災が母子へ及ぼした影響を調査した神戸大学医学部教授(小児神経学)の高田哲さんは、「家族を失った理由や時間的経緯が子どもには理解 できず、不安を抱く。周りが『今は安全だよ』と伝え、日常生活に戻してあげることが必要だ。遊びは子どもにとって日常生活そのものであり、遊ぶ環境は大 切。子どもが元気に遊ぶ姿を見れば、大人にも復興に向かう力がわいてきます」と話す。
ストレスによる子どもの変化に気付くためのポイント

 〈乳児・幼児〉

 ・ぐずる、かんしゃくを起こす。イライラする。激しく泣く

 ・睡眠や食に問題がある

 ・ふさぎ込む。以前より活発さ、陽気さがなくなる

 ・反抗する。「いや」「だめ」など拒絶の言葉を頻繁に言う

 ・親にくっついて離れない

 ・おねしょ、指しゃぶりなどの退行行動がある

 〈小学生以上〉

 ・不安になる。イライラし、興奮しやすくなる

 ・おびえる。過敏になる。落ち着きや集中力がない

 ・友だちや家族と関わろうとせず、引きこもる

 ・怖い夢を見る。睡眠に問題がある

 ・自分のせいで悪いことが起きたなどと自分を責める

 ・頭痛、腹痛、吐き気、めまい、頻尿などの症状がある

  (神戸市こども家庭センターとセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの話から)

子ども自ら役割分担 前向きに

 新潟県長岡市のNPO法人「多世代交流館になニーナ」は、新潟県中越地震(2004年)の体験から、「遊び場」確保の重要性に気付いたという。 被災した母親247人に「子どもの物資で不足したもの」を尋ねたアンケートでも、「おむつ」「お湯」に次いで多かったのが「遊び場」だった。

 同法人副代表で、3人の子を育てる小池裕子さん(36)は「子どもが騒いでも良い場所があれば、親も子も本当に助かる。避難所に余裕があれば 『遊びの部屋』を設けてほしい」と話す。「2007年の新潟県中越沖地震では、小学校高学年や中学生の子どもたちが幼い子の遊び相手を務めてくれた。子ど もも役割を担うことで、前向きな気持ちになれたようです」

(2011年3月29日  読売新聞)

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コメント

純さん、子供達の心の傷を癒すための遊び場作りへの呼びかけと心の変化と声かけの方法などを教えていただきありがとうございます。

後、子供達の夏休みの思い出と非日常の時間を心に蓄えるために、動物園や遊園地などに1日か2日、遊びに連れて行ってあげるってのもいいと思うんですけどね。
親や知り合いなどが必死で現実に耐えてる側での遊びとなるとどこかでやはり後ろめたさがあると思うんですよね。
そんな気遣いもせずにのびのびできるひと時を作ってあげるものいいように思いました。現実的でないのかもしれませんが、、、

そんな理屈はさておき、いつもと違う場所に友達や家族と行くってのも大人になった今でもも楽しいですからね。
それでは

投稿: 寝ん五郎 | 2011年7月 2日 (土) 03時56分

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