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被災宅訪問

画家の三浦千波さんの大船渡のご実家へ行ってきた。

三浦さんは横浜に住んでいるので大事をまぬがれたが、お母様が実家で津波にのまれ、九死に一生を得た。その体験談をうかがいながら、二階まですっかり水に浸かったお宅を拝見してきた。

三浦さん(母)は「チリ地震津波のとき、うちの目の前まで水が迫ってきたから、今回も覚悟はしていた。が、まさか二階まで津波が押し寄せるとは」想像もしていなかった。
津波のスピードも想像以上に速く、アッという間に二階に押し上げられた。浮いているタンスに乗り、鴨居をしっかり掴んで、引き水に流されないようにした。
水が引いた後、外は二階までガレキが積み重なり、窓から逃げることもできなかった。

暖を取ろうと思い、マッチを探してどうにか見つけたが、濡れていて使えなかった。寒さに震えていると、飼っている猫のうち2匹がやってきて、濡れた体 を押しつけてきた。3月11日は雪の少ない大船渡にも珍しく雪が降り、とても寒かった。その2匹の猫と抱き合っていたおかげで、生き延びることができた。 後でわかったことだが、残念ながら、飼っていた5匹の猫のうち3匹が亡くなっ
た。

翌12日、親戚の人たちが山を越えて来た(道はガレキに覆われていて通れなかった)。親戚の人たちは、救助ではなく、「わたしの遺体捜索」のつもりで来たのだという。

生きていたのは半分は運。半分は「生きるぞ」という強い意志のおかげだった。「あのとき、もう駄目と思ったら、生きてはいなかっただろう」と三浦さんは言う。

三浦さん宅の周囲はガレキ撤去が進んでいるが、被災したお宅を現状に近いまま保存したいと考えている。「津波の凶暴さを伝えるものを残したい」からだ。

海辺なのに、きれいに残っているお屋敷があった(写真)。

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「津波が来たら、家の窓や戸をあけはなって逃げろ」という先祖代々の教えがあり、それを守った。結果、家の中のものはきれいさっぱり流されたが、家そのものはきれいに残ったのだという。おそるべし、先人の知恵。

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